| はただ酒店(以下 はただ)
「お酒を造る上で、特に意識している事などありますか?」
鳩正宗(株)杜氏 佐藤企様(以下 佐藤)
「原料処理といいますかその年の米の状況をまず把握する事からですね。今年の米の状態はどうか把握するまではドキドキしながら仕事しています。ある程度使い始めて慣れてくるとと今年はこんな感じでやっていこうかなと、そこに至るまでとても神経使います。」
はただ
「今は、結構蔵元が直接酒造りしているところも結構ありますよね?杜氏としてのプレッシャーというか?精神的な物って?」
佐 藤
「杜氏になって初年度はとても緊張して、2年目も緊張して、3年目もやっぱり・・・良く言う毎年一年生という感じですね。」
はただ
「毎年黄色い帽子かぶっている気分なんですね。」
佐 藤
「だから毎年、これで良いって事はないです。」
はただ
「企杜氏の場合は、もともと酒蔵の人ではないですよね。何で、日本酒の世界に入ろう、杜氏になろうと思ったのですか?」
佐 藤
「亡くなった前社長が地元から技術者というか杜氏を育てたいという事で、今から17,8年前に考えていたみたいで、その当時どこの蔵も岩手から杜氏さんが来るというのが普通な時代だったのですが、その時から地元の酒を地元の人が造るという事を考えていたそうです。」
はただ
「地酒の理想ですね。この会社に入社した時点で杜氏になるのを目指していたんですね。昔から日本酒飲でいたのですか?」
佐 藤
「いいえ、その頃は、日本酒はどちらかというと嫌いな方でした。美味しい日本酒を知らなかったですね。」
はただ
「若い時ってそうですよね。」
佐 藤
「結局、飲み方って一気のみ系統で、味云々より酔っぱらう飲ませ方飲み方でした。今は料理の相性とか味わって飲む飲み方です。蔵に入る前は日本酒嫌いでしたが、この仕事に携わるようになってからは、飲みにいっても意識して飲むようになりましたね。」
はただ
「どうですか?杜氏やっていて楽しいですか?辛いですか?」
佐 藤
「うーん・・・造っている最中は楽しいという感覚にはならないですね。造りが終わった後でこうすれば良かった、ああすれば良かったという反省点が出てきて、次こうして頑張ろうの繰り返しみたいな。でも、楽しくないとも言えないな。楽しさと大変さが同居する感じです。人の手加減でいかようにも変わっていきますし。」
はただ
「愛情のかけ方ですね。愛情って言うのは変ですが・・・」
佐 藤
「そう言う事なんですね。さっき言ったように米から始まるじゃないですか。その米粒が日本酒に変わるまでの一つ一つものが出来ていく課程が楽しい。蔵に見学にいらしてくれた方に良く言われるのが日本酒って今はオートメーションでス出来ていると思っている方がいるのです。スイッチ「ポン」で。」
はただ
「エー!!酒造りは力仕事ですよね!どちらかというとコツコツって感じが。」
佐 藤
「ウチは常に人の手が加わっています。ほとんど手造りのいわゆる地酒屋です。」
はただ
「手が加わる事によって機械だけでは出ない伝わるものって酒に出てくるんじゃないんですか?料理みたいに」
佐 藤
「それと職人の技と数値化、口だけで伝えるよりデータをとって伝えていくのもある程度正確な伝え方。結構、我々の仕事ってファジーな部分もあるのです。
はただ
「ファジー?造りを見ていて難しいなとは思います。」
佐 藤
「麹を造るにしても酒母を造るにしても、具体的にこうしてくださいって言うのはないのです。マニュアルはありますけど必ずその通りに進む事はまずない。その年の米、気象状況違いますから。酒造りの中でその環境でさまざまな要因が相まってそれた時にどう軌道修正、思った方向の酒にしていけるか、それが杜氏の役割です。」
はただ
「これからの日本酒についてどう思いますか?」
佐 藤
「年々蔵の数とか日本酒の消費量というのが減っていくと思います。我々メーカもだからこそ品質を落とさない逆にもっと上げていく努力をしていかなければと。人の見えないところでしていく・・・」
はただ
「見えないところで・・・」
佐 藤
「影で努力し、出荷したときに美味しいと言ってもらえれば良いと思います。」
はただ
「青森の地酒についてどうですか?」
佐 藤
「県全体の蔵のレベルは以前よりアップしていると思います。みんなで切磋琢磨して盛り上げていると思います。同じ造りをしても同じお酒にならないのが地酒ですよね、だからこいつには負けたくないとかそう言う問題ではなくて、他の酒を飲んだ時に刺激しあっていけてらと思います。こういう時代だからこそ、その時代の酒、お客様の好みにあった酒を追求していく事です。青森のどの酒を飲んでも美味しいと言われれば理想ですね。」
はただ
「最後に企杜氏にとって日本酒とはなんですか?」
佐 藤
「『地元でしかできない酒』地元の人にどれだけ好かれるか愛飲されるかだと思います。日本酒は国酒ですよね。自分でより美味しい酒を追求し造っていきつつそれを継承していく事が出来れば良いなと思います。」
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