| はただ酒店 (以下 はただ)
「突然ですが、盛庄さんの蔵のパンフレットに書いていた仕込水をオゾン殺菌していると言うのは?それは酒にどう影響してくるのですか?」
盛田庄兵衛酒蔵店 杜氏 盛田卓次様 (以下 盛田)
「光によって酸化するもので、水道に使われる塩素を含みません。ですから酒には全く影響しません。すぐ分解されて酸素になります。
適量なオゾンは、良い効果を期待できます。酸素はO2。もう一つつくとオゾンでO3になります。酸化するということは、3つ目のOが他にくっつくことで、水中の雑菌や有機物を減少させます。
例えば、森の中での出来事です。滝なんかの近くでは、イオン効果もあって、清々しい気分になることができます。たぶん、こういった現象が自然に起きているのでしょう。」
はただ
「そのために、水に光を当ててるんですね。」
盛 田
「はい、殺菌というか井戸の中の衛生状態をより良く保つためです。ぶくぶくと酸素を水に送り込んで一定の波長の光を当てる。欧米では一般的にオゾン殺菌されています。日本ではあまりやられていません。自然界では、極々普通に行われている事です。」
はただ
「ここは、八甲田山系の伏流水を使った水を使用しているんですよね。豊富なんですね。ここに来る途中、醤油屋さんの看板も見ました。」
盛 田
「その、醤油屋もウチでやってます。」
はただ
「エッ!!お醤油やさんもやっているんですか?」
盛 田
「はい。何年か前には県知事賞や食糧庁長官賞もいただいた事もあるんですよ。適度なミネラルを含んだ、やわらかな水が蔵の特徴かもしれません。」
はただ
「盛田さんがお醤油も造っていらっしゃる?」
盛 田
「いいえ私は酒が担当ですが、醤油も担当者と相談しますよ。」
はただ
「お水が豊富だから出来るんですね。」
盛 田
「昔は城下町で、隣も造り酒屋でその隣が味噌・醤油屋さんで、この辺7件位ありました。」
はただ
「そんなにあったんですか!酒を造る時に心掛けている事ありますか。どういう酒造りたいというか出来たら良いなという所ありますか?」
盛 田
「うーん・・・どういうお酒・・・」
はただ
「例えば今、自分の理想のお酒にたどり着いていますか?」
盛 田
「内心、良いなって事はあるけれども・・。それはさて置きもっと努力しなければなりません。たどり着く事は一生涯あり得ないという事を実感として持っています。目標には達していると思うんですけど、その酒を見るとまた新たな目標設定が生まれる。これで良いって事は一生無いですね。旨味とか香りとか味わいだとか、飲み手に合わせた品質があるのではないか、嗜好の流れや季節感の中でどういう風にお酒の変化を読んで出荷していけばいいのかですね。」
はただ
「季節は大事ですよね。」
盛 田
「奇策は無いのでオーソドックスにキチンとこなしていれば、良い酒は必ず伝えられると思っています。」
はただ
「このパンフレットにある玉栄・吟おうみというお米。あまり県内では聞かないお米ですが?」
盛 田
「吟おうみは結構使ってます。滋賀県の安土城の辺で契約栽培されている米を使っています。江戸時代に近江商人として青森に来た縁もありまして・・・・。」
はただ
「青森の地酒のこれからどう思いますか?」
盛 田
「レベルは上がっています。講習会や研究会など熱心に参加して、情報交換できる素地が出来てきている感じです。ただ、いい酒が販売に結びついていないんで・・・・いくら良い酒造っている蔵があっても・・・広報活動というか情報発信の仕方ですよね。」
はただ
「そう思います。私も酒屋としてお客さんをどう引きつけていけるのか?どうやって魅力を伝えればいいのか。いつも試行錯誤しています。酒を造る時意識している事ってありますか?」
盛 田
「基本を守る事ですね。それと清廉な心構えでしょうか。」
はただ
「日本酒全体で考えた時、これからの日本酒ってどうなると思いますか?例えば理想みたいなものありますか?」
盛 田
「地域で酒の味わいが各々違っていて、生産量が多くなり過ぎず、地酒として日本の文化を伝えれることを大切にしたいですね。」
はただ
「口に含んだ時に盛田さんのお酒だなってすぐ飲んで分かるっていう事ですかね。」
盛 田
「香味ばかりでなく品位を高めたいですね。将来は、諸外国に単に酒を輸出するのではなく、現地で日本の文化的交流に寄与できる酒屋になりたいものです。」
はただ
「そうですね。地元で造って地元の人に愛飲してもらう事ですね。最後に、盛田さんにとって日本酒とは何ですか?」
盛 田
『伝えたいものです。』
「時は今 ところ足もと そのことに 打ちこむ いのち 永久の身いのち という導きの歌があります。」
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